2022年3月9日深夜のAppleイベントでiPad Air第5世代(iPad Air 5)が発表されました。
iPad Proと同じM1チップを搭載しながら価格はiPad Air 4から据え置き(599ドル〜)と、今まで以上にコスパに優れたモデルに進化を遂げています。
本記事では、今回のアップデートについて、医学生の勉強用iPadとしてはどうなの?という視点で解説していこうと思います。
2022年7月の価格改定を受けて、iPad Air5の再レビューを行いました。最新の評価はこちらの記事をご覧ください。
この記事を読んでわかること
- iPad Air 5はiPad Air 4と比較してどこが変わったのか?
- iPad Air 5はiPad Air 4と比較してどこが変わっていないのか?
- iPad Air 5は医学生の勉強用におすすめなのか?
iPad Air 5の注目ポイント
M1チップ搭載
今回の最大のアップデートは何と言ってもM1チップを搭載したことです。
M1チップはiPad ProやMacBookにも搭載されている非常に高性能なチップで、4K動画編集などの重い作業であってもサクサクこなすことができる性能です。
今回のアップデートでiPad Airはますますプロモデルに近づいたと言えるでしょう。
円安の影響により日本ではやや値上がり
本体価格自体はiPad Air 4から据え置き(599ドル〜)なのですが、円安の影響か日本ではやや値上がりしているので注意です。
256GBモデルで比較するとiPad Air 4が82,280円、iPad Air 5が86,800円(ともに学割価格)と、4,000円程度値上がりしています。
残念と言えば残念ですが、この辺りは仕方がないところですね。
2022年7月、円安の影響により価格の改定が行われました。
64GBモデルが77,300円、256GBモデルが99,300円と、さらに大きく値上げされています。
iPad Air 4から進化した点
処理性能
上で述べた通り、今回のアップデートによって、チップがiPad Air 4に搭載されていたA14 Bionicから、M1チップに変更されました。
Apple公式サイトによると、これにより処理性能で最大60%の高速化を実現したとのことです。
頭脳だけで言えばiPad Air 5はiPad ProやMacBookと同等ということになりました。
カラーバリエーション
iPad Air 4と同じく5色展開ですが、一部カラーの変更がありました。
iPad Air 4から「シルバー」と「グリーン」がなくなり、新たに「スターライト」と「パープル」が追加されています。
「ブルー」はiPad Air 4の「スカイブルー」から少し濃いめの色に変更されているようです。
iPad mini 6でも人気だったパープルが追加されたのは魅力的ですね。
iPad Air 4から進化しなかった点
ProMotionテクノロジーは非搭載
Apple Pencilの書き心地に影響するProMotionテクノロジーはiPad Air 4から変わらず非搭載のままです。
2022年3月現在のラインナップでProMotionテクノロジーが搭載されているのはiPad Proのみです。
Appleペンシルの書き心地のなめらかさは、iPad ProとiPad Airの違いの1つとして残ることになりました。
容量は64GB/256GBのまま
容量のラインナップはiPad Air 4と同じく64GB/256GBです。
「128GBを出してほしい」という人も多かったのではないかと思いますが、そこはAppleの販売戦略があるのでしょう。
iPad Air 5は医学生にベストなiPadか?
以上のような「進化した点/しなかった点」を踏まえて、私の結論としては「iPad Air 5は素晴らしいiPadであることには間違いないものの、医学生にベストなiPadではない」ということです。
その理由としては以下のようなものです。
医学生の勉強用にはオーバースペック気味
今回のアップデートのメインとなったのは「M1チップ搭載」です。
Proと同等ということでかなりインパクトのあるアップデートなのですが、「医学生の勉強用」という用途で考えると、これによって恩恵を受けるシチュエーションはほとんどないと思われます。
医学生がメインで使うGoodNotes5やmediLinkなどのアプリはエントリーモデルのiPad(第9世代)でもサクサク動きますし、勉強以外に使う場合でも、普通の動画編集程度であればiPad Air 4のスペックで十分です。
M1チップの恩恵を受ける人は、iPadをクリエイティブ用途に使う人の中でもほんの一部であり、医学生の勉強の用途では全く影響ないといっても過言ではないと思います。
チップ性能アップよりProMotionテクノロジーが欲しかった
勉強の用途で考えるなら、処理性能を上げるよりも、ProMotionテクノロジーを搭載してくれた方が恩恵が大きかったと思います。
「そこまで気にならない」という人もいるかと思いますが、iPad Pro(ProMotionテクノロジーあり)とiPad mini(ProMotionテクノロジーなし)を2台持ちして使っている筆者は、その差を明確に感じます。
「医学生にベストなiPad」ということで考えたときに、ProMotionテクノロジーの有無はやはり大きいと思います。
Pro128GBとの価格差がさらに縮まった
上の方で述べたように、本体価格は据え置きであるものの、円安の影響により日本ではiPad Air 4よりも4,000円程度値上がりしてしまいました。
これによりiPad Pro 128GBとの価格差が約2,000円になり、ほとんど差がないような状況です。
2022年7月の価格改定により、iPad Air 256GBとiPad Pro 128GBの価格差は学割価格で11,000円と大きく広がり、今までよりもProを選び辛い状況になりました。
もし今自分が選ぶなら・・・
自分ならiPad Proを選びます。
やはりProMotionテクノロジーの有無は、今後何百時間もiPadとApple Pencilを使って勉強をしていく上で重要だと思います。
さらに、自分なら最新モデルであるiPad Pro(11インチ 第3世代)ではなく、2世代前のiPad Pro(11インチ 第1世代)の認定整備済品を選ぶかなと思います。
iPad Pro(11インチ 第1世代)は2018年に発売されたモデルでそこそこ古いのですが、チップの性能以外は最新のiPad Pro(11インチ 第3世代)とほとんど変わりません。
Apple Pencil第2世代に対応し、ProMotionテクノロジーも搭載しています。
チップの性能もiPad Air 4と同程度であり、勉強の用途では全く問題ありません。
第1世代はM1チップ搭載の第3世代が発売されてから、大きく値下げされた認定整備済品が出回るようになりました。
私が第2世代を購入した2021年4月時点ではそもそも認定整備済品の在庫がなかったので選択肢にあがりませんでしたが、今なら第1世代を購入すると思います。
2022年6月のAppleのイベント(WWDC)で、iPadOS 16の「ステージマネージャ」という新機能が発表されました。PCのようにウィンドウを重ねられるようになり、マルチタスク機能がより強化されます。
「ステージマネージャ」機能は、M1チップを搭載したiPadでのみ使用可能です。
今後、M1チップ搭載モデルとそれ以外とで差別化がされることが予想されるので、型落ちモデルを購入する際は注意しましょう。
また、iPad Air 5が発表されたことで、iPad Air 4が認定整備済品として安く売られることが予想されます。
M1チップ搭載に魅力を感じない場合、認定整備済品のiPad Air 4を買うというのも1つの手です。
認定整備済み品は常に在庫があるわけではないので注意しましょう。また、学割を使えば新品の方が安く購入できる可能性もあるので、よく比較することが重要です。
iPad Air 5をおすすめする人
ここまでiPad Pro推しの流れで説明してきましたが、iPad Air 5がイマイチというわけでは決してありません。
非常に高性能で、買って後悔するというようなことはないと思います。
特に以下のような人にはiPad Air 5がおすすめです。
- 最新のiPadを使いたい人(古いモデルだと不安な人)
- カラーバリエーションに魅力を感じる人
- ProMotionテクノロジーにそこまでこだわらない人
M1チップの今後に要注目
現時点ではM1チップの恩恵はそれほど大きくないということを述べたものの、今後OSがアップデートされて、M1チップ搭載のモデルしか使えないような機能が新たに加わるという可能性は大いにあると思います。
そうすると、今回M1チップを搭載したiPad Air 5は、型落ちのiPad ProやiPad Air 4に比べてかなり優位になるでしょう。
そのような期待も込めてiPad Air 5を購入しておくというのもアリかと思います。
まとめ
本記事では、今回発表されたiPad Air 5について、医学生の勉強用という点で考えてみました。
- 今回のアップデートは勉強の用途には直接関係するものではない
- 本体価格は据え置きなものの、円安の影響でやや値上がりした
ということから、素晴らしいiPadではあるものの、現時点ではiPad Air 5を強くおすすめはしないという結論に至りました。
しかし、今後M1チップの真価が発揮されるようなOSのアップデートがあれば、評価は一気に変わることも考えられます。
とにかく高性能で買って間違いはないiPadなので、よく比較検討した上で買うのであれば全く問題ありません。
本記事がみなさまのiPad選びの参考になれば幸いです。