医学部CBTの対策で、多くの人はQBオンラインCBT(以下QB)を中心に勉強すると思います。
しかしQBは問題数も多く、ただ闇雲に演習をこなすだけでは効率が良くありません。
本記事では、私がCBT対策で実践していたQBの使い方を紹介します。
簡単に説明すると以下のような方法です。
1. QBで演習をする
2. 完全に理解できた問題とそうでない問題に分ける
3. 理解度が低かった問題をGoodNotes5のフラッシュカード機能を使って復習する
私はこの方法を実践してCBT本番では9割得点することができました。
CBTの勉強スタイルは人それぞれだと思うので、必ずしも全ての方の参考にはならないかと思いますが、「せっかくなら知識をしっかり身につけたい」という人や、コツコツ派の人にはおすすめできる方法です!
QBについて
まずQBの概要から簡単に説明したいと思います。
QB≠過去問
私も途中まで勘違いしていたのですが、QBに掲載されている問題は、実際のCBT試験の過去問ではありません。
CBT試験では、受験者はPCを用いて、プール問題(問題のストック)の中からランダムに出題された問題を解いていきます(つまり同じ日に同じ会場で受けていても、解く問題は一人一人違います)。
プール問題は27,000問以上と言われており、その内容は公開されていません。
よってQBに掲載されている問題はあくまでも再現問題であり、完全に同じ問題ではないことには注意が必要です。
問題数は?
2022年版のQBに掲載されている問題数は3,060問です。
先ほどプール問題の数は27,000問以上という話をしました。
つまり、QBの3,060問では、プール問題の1割程度しかカバーできていないことになります。
実際私が受験したCBT試験でも、QBで解いたことのあるような問題は体感で1〜2割、それ以外の8〜9割は初見といった感じでした。
ここまでのことから、QBの演習では、丸覚えではなく、周辺知識までしっかり理解しておく必要があることが理解してもらえると思います。
いつから始めるのが良い?
CBTの勉強を開始する時期として平均的なのは、試験の3ヶ月前くらいかと思います。
これは多くのブログでも言われていますし、実際に私の周りでもそのあたりから勉強を始める人が多かった印象です。
しかし、私の所感としては、約3,000問のQBの問題を、周辺知識も十分に理解しながら消化するには、3ヶ月はやや短いです。
3,000問を、3ヶ月かけて3周すると仮定すると、1日に平均約100問解かなくてはいけません。
問題を解くだけなら頑張れば1日に100問でも解けると思いますが、周辺知識なども理解しなければいけないことを考えると、消化不良に陥る可能性が高いです。
実際にはQBだけでなく、予備校の動画などでインプットもしながらの勉強になると思うのでなおさらです。
個人的には、4ヶ月あるいは5ヶ月前からコツコツと勉強することをおすすめします。
あまり早くから始めると、勉強した端から忘れていってしまうんじゃないの?と不安に思う方もいるかもしれません。
私はその点を、GoodNotes5のフラッシュカード機能を活用することでカバーしていました。
以下では、私が実践していたQBの使い方を紹介します。
前提として、QBの演習は予備校動画などでインプットを行った後に行う方が効率的です。私は科ごとに「動画視聴→QB演習」のサイクルを繰り返して勉強していました。
QB活用法①:◎○△×機能を活用する
QBには◎○△×を用いて問題の理解度を記録しておく機能があります。
この機能を使うことで、演習の効率が大幅にアップします。
私は◎○△×全部使っていたわけではなく、「◎かそれ以外か」という使い方をしていました。
(○△×も一応分けますが、このあたりはあまり細かく分けても復習には生かしにくいかと思います。)
◎をつけるのは、CBT試験当日まで一切復習しなくても解けると判断した問題です。
◎をつけた問題は2周目、3周目以降の演習の際には、演習のリストから外します。
これによって演習の量を減らすことができるのと同時に、◎の問題は復習しないと決めることで、「本当に身についているか」、「この問題から学べる知識はもうないだろうか」など立ち止まって考えることができます。
QB活用法②:GoodNotes5のフラッシュカード機能を使って復習する
1周目で◎がつかなかった問題は、暗記カードにして復習を行いました。
このとき使ったのが、GoodNotes5のフラッシュカード機能です。
GoodNotes5のフラッシュカード機能を用いると、忘却曲線に基づいて、最適なタイミングで復習をすることが可能です。
フラッシュカード機能についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
フラッシュカード機能を用いることで、「覚えた端から忘れてしまう」という心配をしなくてもよくなります。
また、繰り返し復習を行うことで短期記憶から長期記憶に変わり、知識が定着しやすくなるので、CBTが終わったら全部忘れた!ということもなくなります。
以下では、フラッシュカード機能を使う際の注意点をいくつか説明します。
①問題をよく咀嚼した上で暗記カード化する
暗記カード化する際には、ただ問題と解答をコピペするだけでは効果が薄いです。
理解が浅い状態のカードを何回復習しても、知識はそれ以上に深まらないためです。
フラッシュカードでの学習を効果的に行うには、カード作成の段階でいかに「良い暗記カード」を作れるかが重要です。
具体的には、誤答選択肢がなぜ間違いなのか吟味したり、周辺知識をまとめたりしてカードの裏面に書き込んでおくと良いです。
電子版「病気がみえる」や「レビューブック」を購入しておくと、QBの解説内から関連ページに1タップで移動できるのでとても便利です。
GoodNotes5はマーカーを引いたり、図を貼ったり、手書きでコメントを加えたりといったことが自在にできるため、これらの機能を活用しましょう。
②なるべく1つのノート(デッキ)にまとめる
暗記カードを作るとき、「科目によって分けておくと復習しやすそうだな」と思うかもしれませんが、なるべく1つのノート(デッキ)にまとめましょう。
GoodNotes5ではフラッシュカードは普通のノートと同じくフォルダに保存してあるだけなので、その日にどのノート(デッキ)を演習しないといけないかは、ノートを開いて演習画面をみないとわかりません。
ノート(デッキ)が増えてしまうと、演習の管理が大変になってしまうので、1つにまとめておくことを強くおすすめします。
③1日につくるカードの最大枚数は決めておく
GoodNotes5には1日の演習量を調整する機能がありません。
1日に大量のカードを作ると、その後膨大な量の演習をしなければならなくなり、演習が追いつかなくなるということになりかねません。
1日に作るカードの最大枚数は決めておきましょう。
④1〜2ヶ月前には1周目は終える計算で学習を進める
フラッシュカード機能の良いところは、最適なタイミングで繰り返し復習することで、記憶が定着していくことです。
この機能を最大限に生かすためにも、CBT試験の1〜2ヶ月前には1周目を終えて、カードを全て作成し終わった状態にしておきましょう。
そのためにも、試験の4〜5ヶ月前には学習を始めるのがおすすめです。
1周目が終わったら、作成したフラッシュカードで復習しつつ、QBの2周目、3周目を解いていきます。
きっとフラッシュカードの効果を実感できるはずです。
自分の中で定着したと思う問題は◎にしていき、最終的に全部の問題が◎になることを目指します。
まとめ
本記事ではGoodNote5を活用したQBの演習の仕方を紹介しました。
この方法の良いところは、知識が長期記憶として定着していくことです。
CBTで勉強する知識は、その後の臨床実習や国家試験の勉強においても大いに役に立つので、ぜひGoodNote5を活用して、使える知識として記憶に定着させていきましょう。
また、1日にやることがはっきりしている(カードの作成と、その日のカードの演習)ので、勉強を習慣化しやすい点もメリットとしてあげられます。
短期集中で一気に仕上げたい!という人には向かないかもしれませんが、もしこの方法が自分に合うかもなと思ったら、試してみてもらえると嬉しいです。
こちらの記事ではQB以外のCBT対策教材についてまとめています。