医学部での勉強のためにiPadを買おうと思うけど、どの機種がいいの?
そもそも医学部での勉強にiPadは必要?
この記事を読んでわかること
- 医学部の勉強でのiPadの使い方
- iPadを選ぶ際に注意したいポイント
- 医学生におすすめのiPad
これから医学部に入学する方や、低学年でこれから医学部の専門科目が本格的に始まるという方は、勉強用にiPadの購入を検討されている方も多いのではないでしょうか?
しかし、iPadは種類がたくさんありますし、低学年の段階では医学部の勉強でどのようにiPadを使うのか、具体的にイメージするのも難しいため、どの機種を選べば良いかがわかりにくいかと思います。
本記事では、医学部でのiPad勉強歴約4年の筆者が、iPadを選ぶ際のポイント、医学生におすすめのiPadについて解説します。
結論としては、2023年1月現在、最もおすすめできるiPadは「iPad Air(第5世代)256GB」です!
それでは理由も含めて詳しく見ていきましょう。
筆者のiPad歴
・2018年9月 iPad(第6世代)購入
・2021年4月 iPad Pro(11インチ、2020年モデル)に買い替え
・2021年9月 iPad mini(第6世代)購入(現在Proと2台持ち)
医学部の勉強でのiPadの使い方
まず、医学部の勉強でどのようにiPadを使うのかを紹介します。
配布資料の整理・書き込みに使う
オンライン授業が一般的になったことや、ペーパーレス化の流れから、今大学では、授業資料はpdfで配布される場合がほとんどです。
配布されたpdf資料はiPadのノートアプリ、GoodNotes5に整理して保存しておくととても便利です。
科目や日付ごとにフォルダ分けをしておけば、後から見たいときにも探しやすいですし、Apple Pencilを使えば紙の資料と同じように資料に書き込みができます。
仮に対面授業で資料が紙で配布される場合も、スキャンアプリなどを用いてiPadに取り込むことが可能です。
資料の整理のしやすさや検索のしやすさを考えると、紙で保管するよりも電子ファイルにしてiPadで保管する方が便利です。
私の周りの医学生も、ほぼ全員がiPadで資料を開きながら授業を聞いています。
また、ほとんどの医学生は医師国家試験予備校(Q-assistやmedu4など)の映像授業を購入して国家試験やCBTの勉強をするのですが、この資料もpdfで配布されます。
紙に印刷して書き込むこともできますが、iPadで整理して直接書き込みをした方が圧倒的に効率が良いです。
電子版教科書を閲覧するのに使う
医学書はとにかく分厚くて重いです。
大学の授業であればその日必要な教科書だけを持ち歩けば良いですが(それでもかなり重いですが、、)、CBTや国家試験の勉強となると、全範囲の教科書が必要になるので、とても持ち歩ける重さではありません。
幸い、医学書はここ最近、電子化が進んでおり、電子版が利用できるものが多いです。
例えば、大多数の医学生が使用している「病気がみえる」「イヤーノート」などは電子版が購入可能です。
電子版の教科書を購入してiPadに入れておけば、iPadを一台持っていくだけで、知りたい情報をすぐに参照することができます。
私の周りでも、全部紙の本で勉強するという人はかなり少数派です。
オンライン演習に使う
問題演習も今やほとんどオンラインで行います。
辞書ほどの厚さのある問題集(クエスチョン・バンク)を片手に勉強していたのは一昔前の話で、今はスマホやiPadを使ったオンライン演習が主流です。
スマホはどこでも気軽に演習ができて便利なのですが、医師国家試験の問題ともなると問題も解説もかなりのボリュームになってくるので、iPadの大画面で行う方が効率的です。
iPadなら、Split Viewという機能を使って画面半分は問題演習、もう半分は関連する電子テキストなどを開くという使い方もできて、とても便利です。
医学生の勉強用iPadの選び方
2023年1月現在、iPadのラインナップとしてはiPad(第9世代)、iPad(第10世代)、iPad Air(第5世代) 、iPad mini(第6世代)、iPad Pro(11インチ/12.9インチ)の4つがあります。
モデル | iPad 第9世代 | iPad 第10世代 | iPad Air 第5世代 | iPad mini 第6世代 | iPad Pro |
---|---|---|---|---|---|
SoC(処理能力) | A13 Bionic | A14 Bionic | M1 | A15 Bionic | M2 |
ディスプレイサイズ | 10.2インチ | 10.9インチ | 10.9インチ | 8.3インチ | 11インチ/12.9インチ |
Apple Pencil | 第1世代 | 第1世代 USB-C | 第2世代 USB-C | 第2世代 USB-C | 第2世代 USB-C |
ストレージ容量 | 64/256 GB | 64/256 GB | 64/256 GB | 64/256 GB | 128 GB〜2 TB |
価格 | ¥49,800〜 | ¥68,800〜 | ¥92,800〜 | ¥78,800〜 | ¥124,800〜 |
それぞれ値段も性能も大きく異なるので、初めてiPadを買う場合、何を基準に考えれば良いのかわかりにくいかと思います。
そこで以下では、iPadを選ぶ際のポイントを紹介していきます。
性能的にはエントリーモデルのiPad(第9世代)で十分
勉強の用途で使う場合、上に並べたiPadのどれを選んだとしても、実はできることはほとんど変わりません。
エントリーモデルのiPad(第9世代)であっても、搭載されているチップ(頭脳)はとても優秀なので、勉強の用途ではアプリが重くて動かないというようなことはまずありません。
動画編集など、重い作業をする場合を除いては性能面を気にする必要はないでしょう。
それではiPadの各モデルは何が違うのかというと、主にディスプレイの性能や、ストレージ、対応している周辺機器などのハード面です。
容量は128GBが最適
ストレージ容量は128GBが最適です。
勉強だけに使うのだけであれば、64GBでうまくやりくりすることもできると思いますが、Amazonプライムビデオで映画を保存したり、アプリをたくさんいれたりすると、すぐに容量が圧迫されてきます。
また、勉強だけの用途であっても、最近は予備校の映像授業もダウンロード機能があり、iPadの容量に余裕があった方が安心です。
とはいえ、普通に使う分にはストレージ容量は128GBで足りなくなるということはほぼないと思います。
こちらの記事では、私の実際のストレージ使用状況を公開しながら、iPadの容量の選び方について解説しています。
ディスプレイサイズは10インチ以上を選ぼう
医学生のiPadの使用用途として大きいのが、授業の配布資料や予備校のテキストへの書き込みです。
この用途で考えたときに、ディスプレイサイズは10インチ以上は欲しいです。
つまり、iPad mini(第6世代)は、勉強用にメインで使うiPadとしては避けた方が良いです。
私はサブ端末としてiPad mini(第6世代)を使用していますが、miniのディスプレイサイズ(8.3インチ)だと、メモを取る程度なら問題ないものの、予備校のテキストに書き込みをするにはやや小さいと感じます。
またiPadの画面を分割して使うSplit Viewという機能も、miniのディスプレイサイズでは小さすぎて使いづらいです。
逆に最も大きいiPad Pro 12.9 インチは、勉強のしやすさは抜群ですが、重くて持ち運びに不便、値段が高いといったデメリットも大きいので、それらのデメリットを覚悟した上で選びましょう。
ディスプレイサイズとしては、iPad(第9, 第10世代)やiPad Air(第5世代)、iPad Pro(11インチ)が小さすぎず、大きすぎず無難かと思います。
iPad(第9, 第10世代)はApple Pencil第2世代が使えない点に注意
iPad(第9, 第10世代)の大きなデメリットが、Apple Pencil第2世代に対応していない点です。
第1世代と第2世代のApple Pencilの主な違いは以下の2つです。
- 充電方式
- 第2世代はダブルタップでペンと消しゴムの切り替えができる
このうち、充電方式の違いが大きいです。
第1世代は専用のアダプタを使ってLightningケーブル経由で充電するか、iPad本体の充電端子にPencilを差し込む形で充電します。
もし外出先で充電が切れた場合、iPadにPencilを挿して充電することになりますが、もちろんその間Pencilを使うことはできません。
さらに、万が一Pencilを挿したままiPadを落としてしまったりすると、端子が折れてしまうリスクもあります。
これに対して、第2世代はマグネットで本体の側面にパチっとくっつけるだけでワイヤレス充電ができ、非常に便利です。
Pencilの書き心地自体は変わらないので、第1世代のApple Pencilで勉強に支障が出るというわけではありませんが、第1世代は第2世代と比べて、やや不便な点があるということを理解しておきましょう。
特に、iPad(第10世代)は本体からApple Pencilを充電するためには別売りのアダプタが必要という不便な仕様となっているので注意が必要です。
Apple Pencilの書き心地にこだわるならiPad Pro
iPad Proの大きな利点と言えるのが、現在iPad Proにしか搭載されていない、ProMotionテクノロジーです。
ProMotionテクノロジーを搭載しているiPad Proは、画面のリフレッシュレートが最大120Hzとなっています。
要は、iPad Proは他のモデルと比べて、画面が滑らかにぬるぬる動くということです。
そして、この違いはApple Pencilの書き心地に影響します。
iPad Proとその他のiPadを比べると、iPad Proはよりペン先を素早く動かしても、滑らかにくっついてくる感じがあります。
私としては、医学生の勉強用という用途を考えるとProMotionテクノロジーはあるに越したことはないと思います。
ただ、この辺りの感じ方は個人差も大きいので、Appleストアや家電量販店などで実際に書き比べをしてみて、違いを感じるかどうかを確認してみると良いでしょう。
医学生の勉強におすすめのiPad
以上のような点を踏まえて筆者が選ぶ、医学生の勉強用におすすめのiPadを紹介します(2022年3月現在)。
iPad Air(第5世代 256GB)
2022年7月時点のラインナップの中では、iPad Air(第5世代)の256GBモデルが最もおすすめです。
iPad Air(第5世代)をおすすめする理由は以下の3点です。
- Apple Pencil第2世代が使える
- M1チップ搭載
- 価格と性能のバランスが良い
コスパの面で優れるiPad(第9世代)との大きな違いとして、Apple Pencil第2世代に対応していることが挙げられます。
充電を気にすることなく使え、ダブルタップでペンと消しゴムを切り替えられるApple Pencil第2世代の利便性は、勉強する上ではやはり捨てがたいです。
そして、iPad Air第5世代からはProと同じくM1チップ搭載となりました。
2022年6月のAppleのイベント(WWDC)で発表された「ステージマネージャ機能」(PCのように複数のウィンドウを重ねられる機能)は、M1チップを搭載したiPadでのみ使用可能です。
今後、M1チップ搭載モデルとそれ以外とでは、機能の差別化が図られていくことが予想されるため、「新しい機能を使いたい」という方はM1チップを搭載しているモデルを購入するのがおすすめです。
iPad Airと比較に挙げられるのがiPad Proですが、2022年7月の円安に伴う価格改定によって、iPad Proは大きく値上げされました。
機種 | 容量 | 価格(学割ストア) |
---|---|---|
iPad Air(第5世代) | 256GB | 99,300円 |
iPad Pro 11インチ(第3世代) | 128GB | 110,300円 |
円安の影響で割高感があったAir(第5世代)ですが、今回の値上げで足並みがそろった感じです。
勉強の用途において、ProとAirの最も大きな違いはProMotionテクノロジーの有無、すなわちAppleペンシルの書き心地です。
値上げ前は価格差が数千円しかなかったためProをおすすめしていたのですが、1万円の価格差を考えると、現状最もおすすめできるのはiPad Air(第5世代)です。
型落ちのiPad ProやiPad Airもおすすめ
「性能の良いiPadを使いたいけど、さすがに値段が高すぎる…」という人は、型落ちのiPad ProやiPad Airという選択肢も考慮に入れてみましょう。
特に、ProMotionテクノロジーが欲しいけどiPad Proは高すぎるという方には、型落ちのiPad Proがおすすめです。
最新のiPad Pro11 インチは第3世代ですが、2020年に発売された第2世代、さらには2018年に発売された第1世代でさえ、勉強用途であれば最新モデルとほぼ遜色なく使うことができます。
また、iPad Air 第4世代 256GBを安く手に入れるというのもコスパが良くおすすめです。
型落ちのiPadはAppleの認定整備済み品ストアやAmazonで購入することができます。
2022年6月のAppleのイベント(WWDC)で、iPadOS 16の「ステージマネージャ」という新機能が発表されました。PCのようにウィンドウを重ねられるようになり、マルチタスク機能がより強化されます。
「ステージマネージャ」機能は、M1チップを搭載したiPadでのみ使用可能です。
今後、M1チップ搭載モデルとそれ以外とで差別化がされることが予想されるので、型落ちモデルを購入する際は注意しましょう。
>>>【2022年最新】型落ちiPadの選び方【おすすめ機種は?】
iPad(第9世代)
- iPadにそこまでこだわりはない
- はじめてのiPadなので、まずは安いモデルがいい
このような人はiPad(第9世代)を選びましょう。
エントリーモデルだからと言って決して性能が低いわけではなく、勉強で使用するには十分です。
ただし、iPad Air(第5世代)と同じく、ストレージ容量が64GBと256GBのみしかなく、256GBを選ぶとそこそこの値段になってしまうことには注意しましょう。
また、型落ちのiPadでも、数世代前までであればほとんど性能は変わらないので、コスパ良く購入したい方にはおすすめです。
周辺アイテムやアプリもしっかり揃えよう
本体選びは重要ですが、それと同じくらい重要なのが周辺アイテムやアプリをしっかり揃えることです。
Apple Pencilをはじめとする周辺アイテムと、勉強用アプリを揃えて初めてiPadは真価を発揮します。
iPadを選ぶ際には、本体の価格だけでなく、アプリや周辺アイテムにかかるお金も考慮に入れて予算を考えましょう。
あわせてキーボードを買うと、iPadをPCのように使うことができて使い方の幅が大きく広がりますよ。
まとめ
医学生におすすめのiPadと、iPadの選び方について紹介しました。
2023年1月現在、医学部での勉強用にiPadを購入するとすれば、iPad Air(第5世代)が最もおすすめです。
コスパを重視する方はiPad(第9世代)という選択もありでしょう。
新型のiPadが発売された際には適宜記事をアップデートする予定です。
本記事が少しでもiPad選びの参考になればうれしいです。